お役立ちコラム
住宅基礎 | 鉄筋工事って何?施主が見るべきポイント4選も紹介!
2023年02月20日
「家を建てる時、鉄筋工事のどこを見ればよいのだろう」
「自分の住む家だから、簡単に確認できるポイントが知りたいな」
家を建てるのは大きな決断です。
何度も買えるモノではないので失敗はできません。
今回は、建築に重要な「住宅基礎」の鉄筋工事を紹介します。
● 【住宅基礎】鉄筋工事は骨組みの基礎
● 施主が見るべきポイント4選
● 【住宅基礎】安心できる外部検査機関
本記事を読めば、着工中に見るべきポイントがわかります。
また、住宅購入を検討中の方も参考になる内容です。
ぜひ、最後まで記事を読んでください。
住宅基礎|鉄筋工事は骨組みの基礎!
鉄筋工事は骨組みの基礎で重要な工程です。
鉄筋工事次第で住宅の寿命も左右するからです。
例えば、人間は骨が弱いと骨折しヒビが入ります。
住宅も同じで基礎の鉄筋がしっかりしないと、以下の欠陥が生じます。
● 害虫発生の原因になる
● 住宅の寿命が短くなる
よって、住宅基礎の鉄筋工事は重要な位置づけです。
また、最近では「ユニット鉄筋」を採用する業者も増えています。
ユニット鉄筋とは、工場であらかじめ組みあげた鉄筋をいいます。
ユニット鉄筋を採用するメリットは下記の3点です。
1. 施工期間の短縮
2. 作業員の業務負荷軽減
3. クオリティの維持
現場監督や施工主に聞けば、「ユニット鉄筋」を使用しているか確認できます。
気になる方は質問してみましょう。
施主が見るべきポイント4選
ここでは、鉄筋工事で施主が見るべきポイント4選を紹介します。
1. 鉄筋のサイズ|図面通りの規格
2. 鉄筋のピッチ|図面通りの配筋
3. 防湿シート|確実にシートが施工されているか
4. かぶり厚さ|鉄筋が地面から6cm以上を維持
一つずつ解説していきます。
①鉄筋のサイズ|図面通りの規格
一つ目のポイントは、鉄筋のサイズを確認します。
住宅を建てる際、鉄筋のサイズが決まっているからです。
鉄筋のサイズは下記の表をご覧ください。
鉄筋の名称 | 公称直径
(mm) |
最外径
(mm) |
D6 | 6.35 | – |
D10 | 9.53 | 11 |
D13 | 12.7 | 14 |
D16 | 15.9 | 18 |
D19 | 19.1 | 21 |
D22 | 22.2 | 25 |
D25 | 25.4 | 28 |
D29 | 28.6 | 33 |
D32 | 31.8 | 36 |
D35 | 34.9 | 40 |
D38 | 38.1 | 43 |
住宅基礎で使用する鉄筋のサイズは、9mm・13mmで統一します。
建築基準法で定められているからです。
なお、使用する鉄筋は「異形棒」とよばれます。
「異形棒」の特徴は下記の3点です。
● 鉄筋のまわりが凸凹している
● 凸凹によってコンクリートの付着を強化する
● 住宅の強度・安全性を高める効果がある
鉄筋の規格は設計図に記載されています。
上記2点は確認するようにしましょう。
②鉄筋のピッチ|図面通りの配筋
二つ目のポイントは、配筋の確認です。
配筋とは鉄筋が図面通りの間隔・高さで組まれる状態をいいます。
配筋が適当に組まれると以下の問題が発生します。
● コンクリートを流したあとでは修復できない
● 住宅の強度が保てない
配筋の確認は専門的な知識がないと困難です。
そのため、現場で写真を撮影のうえ、現場監督や施工主と確認してもらいましょう。
③防湿シート|確実にシートが施工されているか
三つ目のポイントは、防湿シートの確認です。
防湿シートの不備は住宅に多大な影響があります。
防湿シートの不備によるリスク
● 湿気によりシロアリなどの害虫発生
● カビの発生
● 住宅の寿命が短くなる
なお、住宅の基礎には「ベタ基礎」・「布基礎」の2種類があります。
ベタ基礎の特徴
● 建物の一面が鉄筋コンクリートで覆われている
● 鉄筋コンクリートにより湿気に強い
● 耐久性や強度が高い
● 布基礎より値段が高額
布基礎の特徴
● 地面一帯を鉄筋コンクリートで覆わない
● 費用が抑えられる
● 防湿コンクリートは耐久性が低い
● 湿気によりシロアリなどの害虫発生
注文した住宅がベタ基礎なら防湿シートに多少不備があっても影響は少ないです。
鉄筋コンクリートと地面との距離があるからです。
ですが、布基礎の場合は防湿シートの不備は大きな影響を及ぼします。
そのため、基礎の種類から確認するとよいでしょう。
④かぶり厚さ|鉄筋が地面から6cm以上を維持
4つ目のポイントは、鉄筋とコンクリートの「かぶり厚さ」です。
かぶり厚さとは、鉄筋とコンクリートの距離をいいます。
かぶり厚さが基準以下であれば、建築基準法に抵触します。
建築基準法第79条条文
鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあっては2cm以上、耐力壁、柱又ははりにあっては3cm以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあっては4cm以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあっては捨コンクリートの部分を除いて6cm以上としなければならない(※1)
(※1)参照:建築基準法施行令 第79条第1項(鉄筋のかぶり厚さ) |
なお、かぶり厚さを維持するために、スペーサーとよばれる固定具が必要です。
スペーサーは6センチ以上を確保し、1mに1個設置するのが一般的です。
住宅基礎|安心できる外部検査機関
施主だけのチェックでは不安になる方も多くいます。
専門家ではないため、見過ごす可能性も考えられるでしょう。
現在では「住宅瑕疵担保責任保険」により、配筋終了後に第三者機関が検査に入ります。
配筋検査の主なチェック項目は以下の通りです。
● 鉄筋の配置
● かぶり厚さ
● 鉄筋の波うち(まっすぐになっているか)
● 鉄筋定着の長さ
● 鉄筋のサイズ
● 防湿シート
第三者機関が検査すれば、不備があっても事前に発見できます。
施主にとってはうれしいサービスといえます。
まとめ
今回は住宅基礎の鉄筋工事を解説しました。
住宅を建てるうえで「住宅基礎」は重要な位置づけです。
自分で見るべきポイントを理解すれば、不備に気がつける可能性もあります。
現在、建築中の方や住宅購入を検討中の方は、本記事を参考に住宅基礎を理解してください。